記憶術は速やかに覚え ≪部屋・記憶・技術≫

長く忘れないでいるための技術を意味する。

この技術をもっぱらくふうすることを職業としている者は、古来から記憶術師といわれる。

記憶の心理学からみて、記銘後、記銘項目の復唱の機会をたびたびもつこと、また無意味な記銘項目を有意味な項目に連合したり、無関連な無構造の項目を関連のある構造的な単位に組み替えたりすることが把持(保持)にとって有効である。

したがって記憶術では、このことを基本にして具体的技法が考案されている。

たとえば、249106817591のような数字列を、1957、1860、1942のように順序を逆にし、西暦年号として覚えるとか、4588とか4526とかの番号を、「よい母」とか「よい風呂(ふろ)」と読んで、有意味化して覚える。

また、相互には関連のない語(人名、地名、物名など)をアイウエオ順、アルファベット順、イロハ順などに配列したり、数え歌のように韻を踏んだ詩文に入れて覚えたりする。

新しく記銘する項目を永続的に記憶している項目、なかでも連想価の高い項目に関連させて覚えることは有意味化、構造化のよい事例である。

なお、特殊な技法としては場所法method of lociがある。

既知の光景のイメージに、それ自身なんら関係のない項目を対応させて覚える方法で、たとえば、住み慣れた部屋のなかの物に記銘項目をいちいち対応させ、部屋のイメージを思い出しながらこれらを想起するのである。
update:2009年12月12日